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​ぷかり堂の社会見学

​~ torinoco 編 ~

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つわぶき

屋久島では1年を通して様々な草花が私たちの暮らしを彩ります。屋久島に生育する野生の植物は約1350種といわれており、人里でも多くの草花、そして樹木を見ることができます。今回はそんな屋久島の草木を使ってハンカチや絹糸を染める様子を拝見してきました!

草木染め

この方が、草木染めのハンカチや絹糸を手掛けるtorinocoの奥田ゆみさん。屋久島に移住したのは2017年。「屋久島の自然がすごいというのはもちろんですが、志戸子に住み始めて、屋久島をさらに好きになりました。」奥田さんは集落の人々と関わるようになって、その暮らしの面白さに気づいたといいます。

お土産屋さんでアルバイトをしている奥田さん。「自分も屋久島のものを使って、屋久島でお土産を作りたい」。そこで思いついたのが草木染めでした。知り合いが草木染めをしていたこと、そして大学時代に染め物の経験があったことから、ガジュマルの木で試し染めをしたのがきっかけです。いまでは「図鑑に載っている草木はとりあえず染めてみる」というスタイルで四季折々の様々な草木を使って染め物をしています。

オオキダチハマグルマ

今回染めるのは志戸子漁港周辺や一湊の浜辺など海の近くでよくみられるこちらの黄色いお花。「大木立浜車(オオキダチハマグルマ)」です。

草木染め

まずは染める素材の下準備から。今回は綿素材の無地のハンカチを染めていきます。綿素材のものは色が染まりにくい為、一度洗濯した後に豆汁につけます。豆汁とは大豆を水に一晩浸してからブレンダーで滑らかにしたもの。こうしてたんぱく質を含ませると染まりやすくなるそうです。左がもともとのハンカチ。右が豆汁につけた後のもの。なんとなく触り心地が違う気がしました。

草木染め

下準備を終えたハンカチを今度は紐で結びます。このひもの部分が染めた後に白く残る部分だそうです。いわゆる「絞り染め」という方法ですね!!今回はクシャっとまとめて十字に結んでいきます!ハンカチの準備はこれで完了。

草木染め

お次は草木の準備。これは志戸子の町で採取した大木立浜車を一晩水につけたものです。この時点でかなり花の色が出ているようにもみえます。これをホウロウ鍋で沸騰させて20分。

草木染め

茶こしの要領で煮汁だけを取り出します。

草木染め

コーヒーみたいな色ですね!

草木染め

この煮汁に魔法の調味料を少々加え、先ほどの丸めたハンカチを投入します!ここでも煮詰めること20分。

草木染め

一度取り出してすすぎます。当たり前ですが、すすぐと色は薄くなりました。

草木染め

お次はこちらの半透明の液体にドボン。色の定着を図るために、媒染液につけていきます。今回はミョウバンを使います。媒染液の種類によって同じ煮汁を使っても完成した時の色が変わるそうですよ!ここでさらに20分ぐつぐつ。取り出してもう一度すすぎます。

草木染め

最後にもう一度、煮汁につけて20分コトコト。最後の色付けを終えたら鍋から取り出して丁寧にすすぎます。繰り返し繰り返し、水が透明になるまですすぎます。すすぎ終えたら、いよいよ絞りの紐をほどきます。ドキドキ…。

草木染め

パーン!きれいなきれいな黄色に染まりました!温かみのあるちょっぴり「和」な黄色!お花のようなランダムの絞り柄もいい感じです!広げて1番干し、アイロンをかけたら完成!!

今は自宅で草木染めをしている奥田さん。いずれは外で、自然に囲まれて作りたいとのこと。これからどんな草木でどんな色の染め物が完成していくのか私もとても楽しみです。

草木染め

ぷかり堂では、屋久島の草木を使って染めたハンカチのほか、プレゼントのラッピングなどにも使える草木染めの絹糸も取り扱っております。同じ植物でも採取する季節によって色合いが変わる草木染め。ぜひ実際にお手に取ってお好みのものを選んでくださいね!

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